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保険見直し

医師年金はいらない?勤務医のぼくが広告を読んで「入らない」と決めた3つの理由

2026年7月16日

医師年金はいらない?勤務医のぼくが広告を読んで「入らない」と決めた3つの理由

📌 この記事でわかること

  • ✅ 医師年金の広告をはじめて読んだ勤務医の、率直な判断プロセス
  • ✅ 予定利率1.5%をオルカン想定7%と比べた簡易試算
  • ✅ 保険料が控除対象外・受取時は利息分が課税という税制上の位置づけ
  • ✅ 加入条件「日本医師会会員」の意味と、ぼくが対象外だった理由
  • ✅ 医師年金を検討している人が、判断前に確認すべきポイント

県医師会から毎月届く報告資料に、医師年金の広告が同封されていた。

正直に言うと、これまでは中身を見る前に捨てていた。今回はたまたま目に入り、はじめて最後まで読んだ。結論から言うと、ぼくは入らないと決めた。広告を読んだだけで判断がついた、と言ってもいい。

ただし、これは医師年金という制度が悪いという話ではない。勤務医のぼくの優先順位では、順番が回ってこなかったという話だ。その理由を3つ、順番に書いていく。

チワゴ

チワゴ

先生、医師年金って、お医者さん専用の年金があるんですか?わたし、初めて聞きました。

どくたろう

どくたろう

日本医師会が運営している、医師のための積立型の私的年金だよ。ぼくも名前は知っていたけど、中身をちゃんと読んだのは今回が初めてだった。

チワゴ

チワゴ

読んでみて、どうだったんですか?

どくたろう

どくたろう

広告を読み終わった時点で、「ぼくは入らない」と決まった。理由は3つ。利率、税金、そして加入条件だ。

広告に書いてあったこと

届いた広告には、大きく3つのことが書いてあった。

  • 予定利率は年1.5%
  • 保険料は控除対象外であること(表で明記されていた)
  • 年金制度の3階建て構造の図

意外だったのは、広告自身が「控除対象外」というデメリットを正直に表で示していたことだ。売り込み一辺倒ではない、誠実な広告だったと思う。だからこそ、判断材料がその場で揃った。

理由①:予定利率1.5%——オルカンと比べてしまった

チワゴ

チワゴ

予定利率1.5%って、高いんですか?低いんですか?

どくたろう

どくたろう

銀行預金と比べればずっと高い。でも、ぼくの比較対象はそこじゃないんだ。ぼくはすでにオルカンを積み立てていて、想定利回りは年7%で考えている。

チワゴ

チワゴ

1.5%と7%……。それは差がありそうですね。

実際に計算してみる。医師年金の基本年金保険料は月払12,000円だ。仮にこの12,000円を30年間、それぞれの利回りで積み立てたとする。

💰 月12,000円を30年積み立てた場合の単純比較
年1.5%年7%(オルカン想定)
払込総額432万円432万円
30年後約545万円約1,464万円

その差は約919万円。同じお金を30年入れ続けて、着地が3倍近く違う。

※税金・事務費・運用の変動を考慮しない単純計算です。オルカンの7%はあくまで想定利回りで、保証されたものではありません。一方の1.5%は予定利率であり、日本医師会も「財政悪化等により制度改定が行われた場合、変更になる可能性がある」と明記しています。

どくたろう

どくたろう

もちろん、確実性の重みは違う。オルカンは元本割れのリスクを自分で背負うし、医師年金は運用を制度に任せられる。ただ、ぼくはそのリスクを取る前提で家計を組んできたから、1.5%の積立先を追加する理由がなかった。

理由②:入口で控除なし、出口で課税——iDeCoと真逆だった

チワゴ

チワゴ

広告に「控除対象外」って書いてあったんですよね。それって、そんなに大事なことなんですか?

どくたろう

どくたろう

ぼくにとっては決定的だった。お金の置き場所を選ぶとき、ぼくは「入口」と「出口」の税金を必ず見る。医師年金は、入口で所得控除がなく、出口では利息分が雑所得として課税される。

整理するとこうなる。

📊 入口と出口の税制比較
入口(積立時)出口(受取時)
iDeCo掛金が全額所得控除各種控除ありで課税
NISA控除なし非課税
医師年金控除なし利息分が雑所得として課税

正確に言うと、医師年金の受取時に課税されるのは受給額の全額ではなく、払込保険料を差し引いた利息相当分だ。それでも、入口・出口のどちらにも税制上の優遇がない積立先を、いまの積立に上乗せする理由は見つからなかった。ぼくはNISAを軸に据えて枠を使い切る方針で動いていて、iDeCoは出口の税負担を試算したうえで、あえて減額するという判断までしている。税制と向き合って自分の置き場所を決めてきた人間にとって、「控除なし・出口課税」はいちばん優先順位の低い箱だ。

チワゴ

チワゴ

個人年金保険には、たしか控除がありましたよね?

どくたろう

どくたろう

そう、個人年金保険料控除がある。節税効果は限定的だけど、ゼロではない。医師年金はその控除すらないんだ。広告が正直に書いてくれていたおかげで、ここはすぐに判断がついた。

理由③:そもそも、ぼくには加入資格がなかった

最後の理由は、少し情けない話だ。

広告を読んだあと、制度の詳細を調べて初めて知った。医師年金の加入資格は「日本医師会の会員であること」。しかも年金の受給権が発生する満65歳までは、日本医師会の会員であり続けることが条件だ。途中で退会すれば、医師年金からも脱退になる。

そして、ぼくは日本医師会に入っていない。

チワゴ

チワゴ

えっ、先生、医師会に入っていないんですか?広告が届いていたのに?

どくたろう

どくたろう

県医師会には入っている。でも日本医師会には入っていないんだ。広告は県医師会の月次資料に同封されていたから届いただけで、ぼくは最初、「広告が来るくらいだから自分も対象なんだろう」と思い込んでいた。

チワゴ

チワゴ

思い込みだったんですね……。

どくたろう

どくたろう

恥ずかしながらね。ぼくの場合、医師会費は勤務先の経費扱いで自己負担がない。だから、自分がどの医師会にどう入っているか、正直あまり意識してこなかったんだ。

断っておくと、これはぼく個人の事情だ。医師会費の扱いは勤務先によってまちまちで、自己負担で払っている勤務医も多い。入るなら県医師会も日本医師会も両方、という人も多い。ぼくのケースを一般化するつもりはない。

ただ、この経験から言えることがひとつある。医師年金を検討するなら、まず自分が日本医師会の会員かどうかを確認する必要があるということだ。会員でなければ、検討の土俵にすら乗っていない。入会から始めるなら、その会費も含めて損益を考えることになる。

医師年金が向いている人もいる

ここまで「入らない理由」を書いてきたが、フェアに書いておきたい。医師年金には、ぼくの判断軸では拾えない価値がある。

💡 ぼくの判断軸では拾えない、医師年金の価値

  • 終身年金であること。基本年金は一生涯受け取れる。長生きするほど得をする設計は、インデックス投資にはない機能
  • 健康状態の告知が不要で、64歳6ヶ月まで加入できる
  • 開業医など国民年金が土台の医師にとっては、公的年金の上乗せとしての意味が勤務医とは違ってくる
どくたろう

どくたろう

勤務医のぼくには厚生年金があって、老後資金はNISAを軸にした積立で作ると決めている。だから順番が回ってこなかった。でも、前提が違う人には違う答えがありうる。ここは強調しておきたい。

チワゴ

チワゴ

「制度が悪い」んじゃなくて、「先生の順番では出番がなかった」ということですね。

どくたろう

どくたろう

その通り。広告を正直に作ってくれたおかげで、ぼくは自分で判断できた。それ自体はありがたいことだったと思っているよ。

📋 この記事のまとめ

  • ✅ 医師年金の予定利率は年1.5%。オルカン想定7%との単純比較では、30年で約919万円の差がついた
  • ✅ 保険料は所得控除の対象外、受取時は利息分が雑所得として課税。NISA軸で運用方針を固めているぼくには、優先順位が上がらなかった
  • ✅ 加入資格は「日本医師会の会員」。ぼくは県医師会のみの加入で、そもそも対象外だった
  • ✅ 医師会費の扱いや加入形態は人それぞれ。検討するならまず自分の会員区分の確認から
  • 終身年金としての価値はあり、開業医など前提が違う人には違う答えがありうる

⚠️ 免責事項
この記事で紹介している内容は、著者の個人的な経験と考え方にもとづくものです。医師年金の制度内容・予定利率・税制上の取り扱いは、今後変更される可能性があります。試算は税金・手数料・運用変動を考慮しない単純計算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。実際の加入判断は、日本医師会の公式情報をご確認のうえ、ご自身の状況に合わせてご検討ください。

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