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家計管理

研修医のボーナスは幻だった|賞与ゼロの4年間でつくった「崩れない家計」の土台

2026年7月7日

研修医のボーナスは幻だった|賞与ゼロの4年間でつくった「崩れない家計」の土台

📌 この記事でわかること

  • ✅ 研修医のボーナスは「ある病院」と「ない病院」に分かれる
  • ✅ 研修先選びは、給料やボーナスより「良い医師になれる環境」を優先していい
  • ✅ 初期研修医はアルバイトで収入を補えないという前提
  • ✅ つくるべき土台は「ボーナスをアテにしない家計」
  • ✅ ボーナスが出たとき、丸ごと未来へ回すためのコツ

研修医としてのキャリアが始まってから、ぼくがボーナスを一度ももらわなかった期間は、合計で4年間に及びました。初期研修の2年間、そして後期研修の1年目、2年目。ずっと、賞与のない病院に勤めていたからです。想定外の出来事ではありません。ボーナスがないことは、就職する前から分かっていて、それでも選んだ病院でした。この4年間で得た実感を、先に書いてしまいます。ボーナスは、生活の土台にしてはいけない。むしろ「無いもの」として暮らしておくほうが、いざというときに強い、ということです。

チワゴ

チワゴ

え、4年間もですか!? お医者さんなのに……。

どくたろう

どくたろう

そう。でも特別に不遇だったわけじゃない。研修医のボーナスは「ある病院」と「ない病院」があって、ぼくは分かったうえで、ない側を選んでいただけなんだ。

🏥 ボーナスは、就職前にもう決まっている

研修医のボーナスの有無は、働き始める前——マッチングで病院を選ぶ段階で、ほぼ決まっています。募集要項に賞与の記載がある病院もあれば、まったくない病院もある。ぼくが選んだのは後者で、後期研修で移った病院も、賞与のないところが続きました。初めてボーナスをもらったのは後期研修3年目。出向した病院が、レジデントでも正規採用の形をとるところで、そこで人生で初めての賞与を受け取りました。医師になって、5年目のことでした。

チワゴ

チワゴ

ボーナスがあるかどうかは、運みたいなものなんですか?

どくたろう

どくたろう

運というより、条件だね。病院側が最初から提示しているもので、こちらでは動かせない。それに、選ぶ段階で給料の細かいところまで見ている人は、実はそんなに多くないんだよ。

実際、マッチングで最優先されるのは「自分が行きたい研修先に採用されること」です。給料やボーナスの条件は、その次。そしてぼくは、この順番でいいと思っています。給料が低くても、ボーナスがなくても、良い医師になれる環境を選ぶこと——それ自体が、若いうちにしかできない自己投資だからです。数年後の年収は、研修先の待遇そのものよりも、そこでどれだけ力をつけられたかで決まります。

研修医の平均年収は、初期研修で450万円ほどと言われます。ただこれはあくまで平均で、病院による幅が大きい。ぼくの初期研修医時代は額面月30万円、年収にして360万円ほど。ボーナスがないぶん平均を下回る、研修医としては最安値に近い水準でした。それでも後悔はありません。低い給料は「良い医師になるための授業料」だと捉えていたからです。

🚫 初期研修医は、バイトで挽回できない

一般の会社員なら「ボーナスが少ないぶん、副業で補おう」という発想もあります。でも、初期研修医にこの手は使えません。初期研修の2年間は研修に専念することが義務づけられていて、診療のアルバイトは原則としてできないからです。医師法や臨床研修の決まりで定められていることで、個人の努力でどうにかなる話ではありません。

専攻医(後期研修医)になれば外勤はできるようになりますが、初期研修医のうちは、目の前の給与がほぼすべてです。ボーナスもなく、バイトで補うこともできない。だからこの2年間は、「収入を増やす」ことより「増やせない前提で、どう暮らすか」を考えるほうが、ずっと現実的です。

チワゴ

チワゴ

増やせないなら、増やそうとして消耗しないほうがいいですもんね。

⚠️ 一番危ないのは「ボーナス前提の家計」

ここまでを整理すると、研修医のボーナスは、そもそも無い病院があり、有無は病院しだいで自分では動かせず、バイトで補うこともできない——とにかく、当てにしづらいものです。

だから、研修医時代に一番やってはいけないのは、「ボーナスで払えばいい」を前提に家計を組むことです。ボーナス払いのローン、賞与をアテにした家賃や固定費。これらは、ボーナスが出なかった瞬間に家計を一気に傾かせます。幻を土台に家を建てると、幻が消えたときに家ごと崩れてしまうのです。

🏗️ 土台とは「ボーナスがゼロでも回る家計」

では、研修医のうちにつくるべき土台とは何か。答えはシンプルで、毎月の手取りだけで、ちゃんと回る家計です。ボーナスが出ても出なくても、生活が成り立つ状態のことです。

ぼく自身、初期研修医のころは額面30万円、手取り20数万円でした。それでも赤字にならなかったのは、固定費を徹底的に低くしていたからです。病院の宿舎に入って家賃を月2万円に抑え、車は持たず、無駄な保険にも入らない。この3つだけで、ボーナスに頼らなくても毎月お金が残る家計になっていました。固定費の削り方は奨学金360万円を完済した話で、保険の考え方は生命保険はいつ必要で、いつ不要かの記事で詳しく書いています。

そしてこの「手取りで回る家計」を、引っ越しても崩れないよう、自動で動く状態にしておきます。研修医は転勤や出向が多いので、口座や積立を一度設定したら、あとは放置できるのが理想です。ぼくは住信SBIネット銀行で、その自動化の仕組みをつくりました。詳しくは勤務医が作った『お金の自動化』の記事で解説しています。

どくたろう

どくたろう

ボーナスは「出たらラッキー」くらいの位置づけでいい。土台は、あくまで毎月の手取りでつくる。この順番が大事なんだ。

💰 ボーナスが出たら、「無かったもの」として未来へ回す

ぼくが後期研修3年目に初めてボーナスをもらったとき、それをどうしたか。答えは、全額そのまま資産運用に回した、です。生活費には1円も使いませんでした。

特別に意志が強かったわけではありません。それまでの4年間、ボーナスのない給与で生活するのが当たり前になっていて、そもそも賞与を「使うお金」として認識していなかっただけです。幻として扱うのが習慣になっていたから、いざ本物が出たときに、迷わず丸ごと未来へ回せたのです。

ただし、これは「若手のうちからやみくもに投資しよう」という話ではありません。研修医のあいだは、投資よりもまず、医師としてのスキルアップと、固定費の低い家計づくりが優先です。ぼくがボーナスを丸ごと運用へ回せたのも、奨学金を完済し、年収が上がってきた「一人前になりかけの段階」だったから、という面があります。

大事なのは、順番です。研修医のうちに「ボーナスを幻として扱う家計」をつくっておく。そうすれば、いつかボーナスが出たとき、それは自動的に、未来のための資金になります。証券口座だけは早めに開いておいて、運用を本格化させるのは土台ができてから。それで十分に間に合います。何に投資するかは新NISAでオルカン1本にした話で書いています。

チワゴ

チワゴ

ボーナスがなかった4年間が、ちゃんと力になっていたんですね。

どくたろう

どくたろう

そうだね。ボーナスをアテにしない暮らしに慣れていたことが、いざというときに一番効いた。無いことは、必ずしもマイナスじゃないんだ。

📋 この記事のまとめ

  • ✅ 研修医のボーナスは「ある病院」と「ない病院」に分かれ、マッチングの段階でほぼ決まっている
  • ✅ 研修先選びは、給料やボーナスより「良い医師になれる環境」を優先していい。低い給料も自己投資になる
  • ✅ 初期研修医は診療バイトができず、収入を増やす手段が限られる
  • ✅ つくるべきは「毎月の手取りだけで回る、固定費の低い家計」。ボーナスは出たらラッキー程度に置いておく
  • ✅ ボーナスを「幻」として扱う習慣があれば、いざ出たときに全額を未来へ回せる

ボーナスが4年間ゼロでも、ぼくの家計は一度も傾きませんでした。ボーナスをアテにしないのは我慢ではなく、むしろ一番ラクな家計の組み方です。幻を土台にしなければ、幻が消えても困りません。研修医の今こそ、その土台をつくる絶好のタイミングです。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入や投資判断を勧めるものではありません。給与・賞与の金額や制度の扱いは、病院や個人の状況によって異なります。記載の内容は2026年7月時点の情報です。