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税金関連

「178万円の壁」は勤務医には関係ない——年末調整2026、ぼくの減税は年1万円前後だった

2026年10月17日

「178万円の壁」は勤務医には関係ない——年末調整2026、ぼくの減税は年1万円前後だった

📌 この記事でわかること

  • ✅ 2026年の改正で、勤務医に効くのは基礎控除の4万円だけなこと
  • ✅ 勤務医の減税額は、年8,000〜16,000円程度であること
  • ✅ 子育て世帯の生命保険料控除6万円が、保険ゼロのぼくには関係なかった話
  • ✅ 配偶者控除が対象外でも、あの書類は出す必要があること
  • ✅ ふるさと納税の上限と、12月の還付金の扱い方

年末調整の時期が近づいてきた。

今年は「178万円の壁」という言葉をよく見る。基礎控除が最大104万円になる、という見出しもあった。数字だけ見ると、かなり税金が戻ってきそうな気がする。

先に結論を書いておく。勤務医の減税は、年1万円前後だ。

ぼくの年末調整の書類は、ほとんど空白になっている。生命保険は解約した。住宅ローンはない。子どもは2人とも小学生で、扶養控除の対象外。配偶者控除は、自分の所得の関係で対象外だと思いながら、書類だけは毎年出している。

記入しているのは、iDeCoの掛金と、子どもの分の所得金額調整控除くらいだ。

この書類で、今年の改正の恩恵をどれだけ受けられるのか。数字で確かめておく。

チワゴ

チワゴ

先生、178万円の壁ってニュースでよく聞きます。わたしたちの税金も、けっこう減るんですか?

どくたろう

どくたろう

減ることは減る。ただ、ニュースの数字と勤務医の数字は、桁がひとつ違うと思っておいたほうがいい。

📅 「178万円の壁」の中身

令和8年度の税制改正で、2026年分の所得税は主に次のように変わった。

変わること内容
基礎控除本則が58万円→62万円。合計所得489万円以下は、特例の上乗せで104万円
給与所得控除の最低保障額74万円に引き上げ
扶養親族の所得要件給与収入136万円まで扶養に入れられる
生命保険料控除の特例23歳未満の扶養親族がいれば、一般生命保険料控除の上限が4万円→6万円(2026・2027年分)

「178万円の壁」は、基礎控除の104万円と給与所得控除の74万円を足した数字だ。給与収入が178万円までなら所得税がかからない、という意味になる。

つまり中心にあるのは、パートやアルバイトで働く人の話だ。給与所得控除の引き上げも年収の低い人向けの部分なので、勤務医の給与には効かない。

チワゴ

チワゴ

178万円って、年収の上限の話だったんですね。

どくたろう

どくたろう

そう。勤務医に関係するのは、基礎控除の本則の部分だけなんだ。

🧮 勤務医に効くのは「4万円」だけ

基礎控除を合計所得ごとに並べると、こうなる。

合計所得2025年分2026年分増えた額
489万円以下68万〜95万円104万円+9万〜36万円
489万円超〜655万円以下63万円67万円+4万円
655万円超〜2,350万円以下58万円62万円+4万円
2,350万円超48万円〜0円変わらず0円

ぼくは太字の段にいる。多くの勤務医もここに入ると思う。特例の上乗せはつかず、増えるのは本則の4万円だけだ。

減税額は「増えた控除額×所得税率」で出せる。勤務医の所得税率はおおむね20〜40%なので、4万円×20%=8,000円から、4万円×40%=16,000円になる(実際は、これに復興特別所得税の分がわずかに加わる)。

ニュースの「最大104万円」と比べると、ずいぶん小さい。何もしなくても減るのは、年1万円前後だ。

🛡️ 生命保険料控除6万円は、ぼくには関係なかった

生命保険料控除の特例は、子育て世帯向けの措置だ。23歳未満の扶養親族がいれば、一般生命保険料控除の上限が2万円上がる(所得税のみ)。

小学生の子どもは扶養控除の対象外だが、扶養親族には入る。だからぼくは条件を満たしている。ただ、生命保険はすでに解約していて、控除するものがない。

チワゴ

チワゴ

せっかく条件を満たしているのに、もったいなくないですか?

どくたろう

どくたろう

控除のために保険に入るのは逆だよ。上限が2万円増えても、税率40%で8,000円しか減らない。保険料のほうがずっと高くつく。

保険が必要かどうかは、保障で決めるものだと考えている。ぼくが今も払っている保険は4つだけで、生命保険は入っていない(この話は別の記事に書いた)。

なお、一般・介護医療・個人年金を合わせた控除の上限は12万円のままだ。3つとも上限まで使っている人は、この特例でも控除は増えない。

📄 「対象外」の書類は、やはり出す必要があった

配偶者控除は、本人の合計所得が1,000万円を超えると受けられない。ぼくは対象外だと思いながら、それでも毎年、配偶者控除の書類を出してきた。

念のため確認すると、やはり出す必要のある書類だった。正式な名前はこうなっている。

📌 書類の正式名称
給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書

配偶者控除の書類は、基礎控除の申告書と1枚になっている。基礎控除は合計所得2,350万円を超えると段階的に減り、2,500万円を超えるとゼロになる。そのため年末調整で基礎控除を受けるには、この書類で自分の所得の見積もりを申告する必要がある。

同じ1枚には、所得金額調整控除の欄もある。給与収入が850万円を超え、23歳未満の扶養親族がいる場合などに、最大15万円が控除される。ぼくは子どもの分をここに書いている。

チワゴ

チワゴ

じゃあ「配偶者控除は対象外だから」って出さなかったら……。

どくたろう

どくたろう

年末調整で基礎控除が引かれない。今年増えた4万円どころか、62万円全部だ。所得金額調整控除も同じ書類だから、一緒に漏れる。確定申告で取り戻すことはできるけど、手間が増えるだけだね。

配偶者控除の欄は、国の様式の上では、本人の所得が1,000万円を超えれば書かなくてよいことになっている。

ただ、病院から配られる書類には、家族の所得を書く欄もある。税金以外の手続きにも使われているのかもしれないが、ぼくは詳しく確かめたことはない。だから配偶者控除が対象外でも、病院の書類には求められたとおりに記入して出している。

国の様式と勤務先の書類が、同じ扱いとは限らない。迷ったら、勤務先の担当部署に確認するのが確実だと思う。

🎁 ふるさと納税の上限は、ほぼ動かない

今回引き上げられたのは所得税の基礎控除だけで、住民税の基礎控除は43万円のまま据え置かれている。

ふるさと納税の控除上限は、住民税の所得割額の2割を基準に決まる。住民税が変わらない以上、勤務医の上限額はほとんど変わらない。

ぼくは今年の分を9月にほぼ終えている(10月のルール変更の話に書いた)。今回の改正を理由に、追加で調整することもしない。

🗂️ 確定申告は、ふるさと納税と配当だけ

今はバイトをしていないので、給与は1か所だけだ。確定申告でやることは、ふるさと納税と、配当の申告分離(その理由はこちら)の2つになった。医療費控除は、該当する年だけ追加する。

今回の改正で、確定申告の作業が増えることもない。

💴 12月の還付は「予定外のボーナス」として投資へ

11月までの給与は、改正前の基準で所得税が引かれている。今年の引き上げ分は、12月の年末調整でまとめて精算される。

勤務医の場合、ここで戻ってくる差額は、ほぼ今年の減税額そのものだ。1万円前後になる。

ぼくは、年末調整の還付を予定外のボーナスとして扱っている。使い道は、投資に回すだけだ。生活費は変えない。特別費は、もともと予算に計上してある。だから還付金の使い道を、改めて考える必要がない。

チワゴ

チワゴ

戻ってきた分を「使っていいお金」にしないんですね。

どくたろう

どくたろう

そう。いつも通りに暮らして、戻ってきた分は積み立てに回る。それで十分だよ。

🩺 2026年の年末調整、ぼくはこうする

書類・項目ぼくの対応
基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書…基礎控除と所得金額調整控除のために提出する。病院の書類には、求められたとおり家族の所得も書く
保険料控除申告書iDeCoの掛金だけ記入。生命保険料控除の特例は使わない
扶養控除子どもは16歳未満なので、なし
12月の還付予定外のボーナスとして投資へ

大きな判断はしていない。書類を正しく出して、戻ってきた分を積み立てに回す。それだけだ。

📋 この記事のまとめ

  • ✅ 「178万円の壁」は、主にパートやアルバイトで働く人向けの改正
  • ✅ 勤務医(合計所得655万円超〜2,350万円以下)は、基礎控除が4万円増えるだけ。減税は年8,000〜16,000円程度
  • ✅ 生命保険料控除6万円の特例は、保険がなければ関係なし。控除のための保険加入は逆効果
  • ✅ 配偶者控除の書類は、基礎控除・所得金額調整控除と1枚。配偶者控除が対象外でも出す
  • ✅ 住民税の基礎控除は据え置き。ふるさと納税の上限もほぼ変わらない
  • ✅ 12月の還付は生活費に混ぜず、投資に回す

⚠️ 免責事項
この記事は著者個人の経験と考え方にもとづくものです。記載の制度内容は2026年10月時点で公表されている情報にもとづきます。減税額は所得・税率・各種控除によって異なり、本文中の金額は概算です。勤務先の書類の扱いは勤務先ごとに異なります。実際の手続きは、勤務先の担当部署、税務署または税理士にご確認ください。

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