🐾
勤務医のお金と安心ノート
お金があるから医療に専念できる
← 記事一覧に戻る
税金関連

ふるさと納税、10月1日にルールが変わる——それでもぼくの返礼品3種は消えなかった

2026年9月12日

ふるさと納税、10月1日にルールが変わる——それでもぼくの返礼品3種は消えなかった

📌 この記事でわかること

  • ✅ 2026年10月1日に変わるのは「返礼品側」のルールで、寄付する側の計算式は変わらないこと
  • ✅ 掲載終了が予測されている18カテゴリと、その共通点
  • ✅ 米・ティッシュ・トイレットペーパーが、そのリストに入っていなかった理由
  • ✅ 9月に寄付を終えられる、上限額の見積もり方(配当を計算に入れない)
  • ✅ 2027年の「193万円上限」が、勤務医には届かない水準であること

10月1日、ふるさと納税のルールが変わる。

「10月から改悪」という見出しを何度か見た。9月末までに駆け込んだほうがいい、という記事もある。

先に結論を書いておく。ぼくの返礼品は消えなかった。そして、駆け込みもしていない。

この記事は、すでにふるさと納税をやっている人向けに書く。「自分の返礼品は消えるのか」「今すぐ動くべきか」。この2つに答える。

チワゴ

チワゴ

先生、ふるさと納税が10月から改悪されるって本当ですか? 休憩室でも話題になっていて、わたしも急いだほうがいいのか迷っています。

どくたろう

どくたろう

変わるのは本当だよ。ただ「何が変わるか」を見ていくと、慌てなくていい人がほとんどだと思っている。

📅 10月1日に変わるのは「返礼品側」のルール

今回の改正は、総務省が2025年6月に発表した「ふるさと納税の指定基準の見直し等」にもとづくものだ。施行は2026年10月1日。10月以降の寄付分から適用されて、それ以前の寄付には遡らない。

中身は大きく3つある。

① 付加価値基準の明確化

返礼品には「地場産品」であることが求められている。加工品の場合は、価値の過半がその自治体の区域内で生じていることが条件だ。この「過半」の判定方法が、価格にもとづく算出を原則とするよう明確化された。さらに製造者がそれを証明し、自治体が公表することになった。

② 調達費用の妥当性

自治体が返礼品を仕入れる価格が、一般の販売価格より不合理に高くならないよう運用を適正化する。一般販売価格も証明書に記載して公表する。

③ 広報目的基準の明確化

自治体のロゴやキャラクターを付けた区域外製造の物品は、自治体自身が広報目的で調達・配布・販売した実績の範囲内でしか返礼品にできなくなる。

これに加えて、自治体が寄付集めにかけられる経費の上限が、寄付額の5割から2029年までに段階的に4割へ下がる。

変わるもの変わらないもの
返礼品が地場産品かどうかの判定方法自己負担が実質2,000円で済む仕組み
自治体の仕入れ価格の妥当性チェック控除上限額の計算式
ロゴ入りグッズの扱い返礼品の調達費は寄付額の3割以下、というルール
自治体の経費上限(5割→段階的に4割)ワンストップ特例・確定申告の手続き
チワゴ

チワゴ

つまり、寄付する側の計算は何も変わらないんですね。

どくたろう

どくたろう

そう。変わるのは自治体と事業者の側だ。ぼくらに見える形で影響が出るとしたら、「今まで選べていた返礼品が選べなくなる」という一点に集約される。

📋 消えるかもしれない18カテゴリ

では、何が消えるのか。

ふるさとチョイスが「制度改正に伴い掲載終了などが予測されるカテゴリ」を公表している。18種類ある。

分野掲載終了などが予測されるカテゴリ(ふるさとチョイス公表)
美容・健康美容・健康家電/化粧水・乳液/その他美容/健康食品
家電・生活用品空調・季節家電/パソコン・周辺機器/時計/家具/寝具/ファッション/釣り具
食品・酒類ウイスキー/ワイン/おせち/牛タン/羊肉/鮭・サーモン/チョコレート

すべての品が対象になるわけではなく、あくまで影響を受けやすいカテゴリだと注記されている。

並べてみると共通点がある。「その土地で作られたと言い切りにくいもの」だ。

家電やパソコンは、区域内で組み立てや検査をしていても、価値の過半がそこで生じたと証明するのが難しい。ウイスキーやワインは、原酒や原料の調達先が問われる。牛タンや羊肉、鮭は、輸入した原料を区域内で加工しているケースが多い。おせちやチョコレートも同じ構造だ。

チワゴ

チワゴ

牛タンやサーモンって、ふるさと納税の定番じゃないですか。

どくたろう

どくたろう

定番だからこそ、産地と加工地が別々になっている品が多かった。今回はそこを「価格ベースで証明して公表する」ことにしたから、証明できない品から順に消えていくことになる。

🧻 ぼくの3種は、リストに入っていなかった

ぼくの返礼品は、米、ティッシュ、トイレットペーパーの3つだけだ。この理由は以前の記事に書いた。

返礼品今回の改正との関係
産地で判定される品。区域外の米を区域内で精米して出す場合も「同じ都道府県内で生産されたもの」に限る、というルールは2023年10月の改正ですでに入っている。3年前に整理が済んだ品
ティッシュ・トイレットペーパー製紙工場のある自治体が、区域内で製造したものを出している。付加価値の過半が区域内で生じたことを示しやすい

18カテゴリのどこにも入っていない。

これは狙ったわけではない。ご褒美品ではなく実用品に絞ったのは、管理がラクになるからだった。でも結果として、「その土地で作られたと言い切れるもの」ばかりを選んでいたことになる。制度がどう変わっても、その土地の製紙工場と、その土地の田んぼは動かない。

チワゴ

チワゴ

地味な選び方が、いちばん改正に強かったんですね。

どくたろう

どくたろう

地味で結構。ふるさと納税に時間をかけないための選び方が、ふるさと納税の制度変更にも耐えた。それだけの話だよ。

ただし、影響がゼロとは言わない。自治体の経費上限が5割から4割に下がる以上、同じ返礼品でも「寄付額が上がる」か「内容量が減る」か、どちらかは起きうる。消えはしないが、実質的な値上げはありうる。ここは10月以降、いつもの品の寄付額と内容量を見ればわかる。

🛒 それでも、9月に補充を終わらせた

ぼくは今年の分をほぼ9月中に終えている。トイレットペーパーとティッシュと米の補充だ。

駆け込んだのではない。改正の影響を受けないことは事前に確認したうえで、例年どおりのサイクルで動いただけだ。

トイレットペーパーは、家の在庫が切れるタイミングにちょうど重なった。ティッシュは少し早めのストックになった。米は無洗米を使っていて、新米が出始める時期に量の最終調整をする。これは毎年のことで、今年もそうした。

⚠️ 9月30日(水)はサイトの混雑が予想されている
ふるさとチョイスは、制度改正直前の9月30日に例年アクセスが集中し、決済に時間がかかると案内している。18カテゴリに欲しい品がある人は、月末を待たずに済ませたほうがいい。逆に、リストに入っていない実用品を選んでいる人は、月末に慌てる理由がない。
チワゴ

チワゴ

でも先生、9月の時点で「今年の上限額」ってわかるものなんですか? 年収がまだ確定していないのに。

どくたろう

どくたろう

いい質問だね。それが9月に終えられる理由の本体なんだ。

🧮 9月に寄付を終えられる理由——給与だけで上限を計算する

以前の記事では「バイトが複数あると年収の見通しが立ちにくいから、年度末に向けて調整する」と書いた。今のぼくはバイトをしていない。給与が1本になり、額面を毎月記録しているので、年収の見通しは9月の時点でほぼ立つ。

もうひとつ、上限額の計算で決めていることがある。

配当金を計算に入れない。

ぼくは配当を申告分離で確定申告している(この話は別の記事に書いた)。申告分離で申告した配当には住民税が5%かかり、その分だけ住民税の所得割額が増える。ふるさと納税の控除上限は、住民税所得割額の2割を基準に決まる。つまり配当を申告すると、上限額は給与だけで計算した値より上がる。

でも、ぼくはその上乗せ分を使わない。給与だけで上限を出して、その範囲で寄付する。

📌 給与だけで計算すると、上限は必ず低めに出る
実際の上限 = 給与にもとづく分 + 配当にもとづく分
計算に使う上限 = 給与にもとづく分だけ
→ 配当の分が、丸ごと「多少ミスをしても食いつぶさない余白」になる
チワゴ

チワゴ

上限ぎりぎりまで使い切ろうとは思わないんですか?

どくたろう

どくたろう

思わない。上限を超えた分は純粋な寄付になって戻ってこない。1万円を取りにいって3万円超過するリスクを負うより、配当の分を余白にして9月に終わらせるほうが、ぼくには合っている。何より、年末にふるさと納税のことを考えなくて済む。

🔁 楽天のまま。ポイントが消えても変えなかった

サイトは楽天ふるさと納税のまま使っている。

以前の記事で「最初はポイント目当てで選んだ」と書いた。2025年10月にポータルサイトのポイント付与が禁止されて、選んだ理由の前提はなくなった。

それでも変えていない。理由は慣れだ。寄付履歴がひとつのサイトにまとまっていて、確定申告のときに見返す場所がひとつで済む。管理コストがいちばん低い。ポイントが減った分については、正直なところ意識していない。

チワゴ

チワゴ

選んだ理由が消えたのに、運用は変わらなかったんですね。

どくたろう

どくたろう

ポイントは入口だっただけで、続けている理由は最初から管理コストのほうだったんだと思う。

💴 2027年の「193万円上限」は、勤務医には届かない

もうひとつ、今回の改正と一緒に語られる話がある。

2025年12月に閣議決定された税制改正大綱で、住民税の特例控除額に193万円の定額上限が設けられた。施行は2027年1月1日で、2028年度以降の住民税から適用される。実務上は、2027年中の寄付から影響する。

報道では「高所得者優遇に歯止め」という言い方をされている。勤務医は世間では高所得者の側に括られがちなので、気にした人もいるかもしれない。

でも、この193万円は給与収入1億円に相当する水準だ。

勤務医の特例控除額は、住民税所得割額の2割。年収1,500万円なら所得割額は100万円強で、その2割は20万円台。年収2,000万円でも30万円前後だ。193万円までの距離は、桁がひとつ違う。

しかも寄付額そのものに上限が入るわけではない。193万円を超えた分も、基本分の控除(寄付額のおよそ1割)は残る。

チワゴ

チワゴ

先生はこのニュース、どう思いましたか?

どくたろう

どくたろう

この上限が気になるくらい稼げる人になれたらいいな、くらいにしか思っていない。

チワゴ

チワゴ

……それは確かに、気にしても仕方ないですね。

どくたろう

どくたろう

勤務医の給与で気にすべきなのは193万円の上限じゃなくて、自分の上限額を超えないことのほうだよ。

📋 この記事のまとめ

  • ✅ 2026年10月1日に変わるのは返礼品側のルール。実質2,000円の仕組みと控除上限の計算式は変わらない
  • ✅ 掲載終了が予測される18カテゴリは、「その土地で作られたと言い切りにくいもの」に集中している
  • ✅ 米・ティッシュ・トイレットペーパーはリスト外。米は2023年の改正ですでに県内産限定になっている
  • ✅ ぼくは改正の影響を受けないことを確認したうえで、例年どおり9月に補充を終えた。駆け込みではない
  • ✅ 上限額は給与だけで計算し、配当の分は余白にする。上限超過のリスクを消して、年末に考えなくて済む
  • ✅ 2027年の193万円上限は給与1億円相当。勤務医が気にすべきは、自分の上限額のほうだ

⚠️ 免責事項
この記事の内容は、著者の個人的な経験と、記事作成時点で公表されている制度にもとづくものです。返礼品の掲載終了や寄付額の変更は自治体ごとに判断されます。控除上限額は所得・家族構成・各種控除によって異なり、本文中の金額は概算です。実際の寄付にあたっては、各ポータルサイトのシミュレーションと、総務省・お住まいの自治体の公式情報をご確認ください。

📖 あわせて読みたい

ふるさと納税で年間数十万円節税する勤務医の全手順【楽天だけ・返礼品3種・確定申告】 → 配当控除は、勤務医には効かない——VYMと日本株の配当を「申告分離」だけで処理している理由 → 確定申告は勤務医の必須スキルだ——バイト収入から始めて、毎年数十万円戻るようになるまでの話 →