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保険見直し

停電保険は月160円でも不要と判断した理由|勤務医が「確率小・損失大」で考えた

2026年10月31日

停電保険は月160円でも不要と判断した理由|勤務医が「確率小・損失大」で考えた

📌 この記事でわかること

  • ✅ 電気代のお知らせメールで案内された「停電保険」の中身
  • ✅ 月160円でも、ぼくが入らなかった5つの理由
  • ✅ 何年に1回停電すれば元が取れるのか
  • ✅ 「保険料1か月分無料」で入る前に知っておきたいこと
  • ✅ それでも停電保険が向いている人

先に結論を書いておく。ぼくは、停電保険には入らない。

電気代のお知らせメールに、保険の案内がついていた。「月々160円でそなえて安心」「保険料1か月分無料」。長時間の停電で冷蔵庫の食品がダメになる、といった不安に備える保険だ。

メールを見た瞬間に、いらないと思った。ぼくには、保険を選ぶときの基準がひとつあるからだ。

チワゴ

チワゴ

先生、停電の保険なんてあるんですか? わたし、初めて聞きました。

どくたろう

どくたろう

電力会社と保険会社が組んで、電気の契約者向けに案内している少額の保険なんだ。今回、中身を一通り確認してみたよ。

🔌 停電保険の中身を確認してみた

案内されていた保険の内容を、公式の説明ページで確認した。保険料や細かい条件は、電力会社によって違う。

📄 案内された停電保険の概要

  • 保険料:月160円(年1,920円)
  • 支払条件:自宅で5時間以上続く停電が起きたとき
  • 補償の上限:7つの費用の合計で最大10,000円
  • 補償される費用:冷蔵庫内の食料品の買い替え/ポータブル電源などの購入/非常用照明の購入/避難先への交通費/乾電池の購入/簡易トイレの購入/故障した家電の修理
  • 補償が始まるのは、申込日を含めて14日後から
  • 地震・噴火・津波による停電などは対象外になる場合がある
チワゴ

チワゴ

月160円で7つも補償があるなら、けっこう手厚く見えますね。

どくたろう

どくたろう

そう見えるよね。でも、条件を一つずつ見ていくと、印象はかなり変わるんだ。

🧊 ぼくが停電保険に入らなかった5つの理由

理由① 最大1万円は、自分で払える金額だから

保険の役割は、自分の貯金では払えない損失を肩代わりしてもらうことだ。

火事で家財が全部燃える。自動車事故で相手に数千万円の賠償をする。こうした損失は家計を壊す。だから保険で備える意味がある。

停電保険の上限は1万円だ。最悪のケースでも、1万円の出費で家計は傾かない。払える損失のために保険料を払い続けるのは、自分のお金を保険会社に預けて、手数料を引かれて返してもらうのと変わらない。

理由② 目玉の冷蔵庫補償が、保険料1年分とほぼ同じだから

メールが訴えていたのは、停電で冷蔵庫の食品がダメになる不安だった。ところが冷蔵庫の補償は、被害額に関係なく定額2,000円だ。冷凍庫いっぱいの食材がダメになっても、出るのは2,000円。年間の保険料1,920円とほぼ同じだ。

理由③ 5時間以上の停電を、一度も経験していないから

ぼくはいまの地域で長く暮らしているが、5時間以上続く停電は一度もない。

では、どのくらいの頻度で長時間の停電が起きれば元が取れるのか。年間の保険料1,920円で計算してみた。

1回の停電で受け取る額元が取れる頻度の目安
2,000円(冷蔵庫の定額分だけ)約1年に1回
5,000円約2.6年に1回
10,000円(上限の満額)約5.2年に1回

※受け取る額÷年間保険料1,920円の単純計算

上限の満額を毎回受け取れたとしても、5年に1回は5時間以上の停電が必要になる。10年加入すれば、保険料は19,200円。その10年のあいだに満額の停電が1回あっても、差し引き9,200円のマイナスだ。ぼくの生活では、そこまでの頻度は考えにくい。

チワゴ

チワゴ

起きる頻度と、戻ってくる金額。両方で考えるんですね。

どくたろう

どくたろう

そう。ぼくの場合は、その頻度がそもそも低いんだ。

理由④ 本当に怖い大地震は対象外になりうるし、直前に入っても間に合わないから

長い停電でいちばん怖いのは、大地震だと思う。ところがこの保険は、地震・噴火・津波による停電が対象外になる場合がある。

さらに、補償が始まるのは申込日を含めて14日後からだ。台風が近づいてから慌てて入っても、間に合わない。

理由⑤ 補償される品物の多くが、すでに家にあるから

わが家には、懐中電灯とランタン、乾電池、モバイルバッテリー、水と食料の備蓄、簡易トイレがある。7つの補償のうち、照明・乾電池・簡易トイレは、停電してから買う必要がない。

しかも、照明やポータブル電源の購入費が補償されるのは、停電している最中に買った分だけだ。停電の最中に、お店で懐中電灯を買えるとは限らない。停電対策で大事なのは、あとでお金を補ってもらうことではなく、先に家にあることだと思っている。

🎁 「保険料1か月分無料」で入る前に

案内には「保険料1か月分無料」とあった。最初の1か月分は、電力会社が保険料を負担してくれる仕組みだ。

ただ、この保険は保険期間1年の自動更新で、支払いはクレジットカードのみ。2か月目からは、何もしなければ月160円が引き落とされ続ける。

チワゴ

チワゴ

1か月だけ入ってみて、合わなければやめればいいんじゃないですか?

どくたろう

どくたろう

そう考える人は多いと思う。でも、月160円の引き落としって、明細を見ても気づかないくらい小さいんだよね。

初月無料のキャンペーンは、保険に限らず、そのまま続けてもらうことを前提に組まれていることが多いと思う。金額が小さいほど、やめるのを忘れていても気づきにくい。あとで「やめなきゃ」と覚えておく手間まで考えると、必要ないと判断したものは、最初から入らないのがいちばんラクだ。

保険金を受け取るときにも、手間はかかる。冷蔵庫の定額分を除けば、停電中に買ったもののレシートを残しておき、WEBのマイページから請求する。停電があったかどうかは、電力会社がスマートメーターの電気使用量で確認する。停電で慌ただしいなかで、レシートをきちんと取っておけるかは正直わからない。

⚖️ 保険は「確率小・損失大」にだけ使う

ぼくが保険を選ぶ基準は、ずっとこれひとつだ。

💡 保険で備えるかどうかの線引き

  • 確率は小さい × 損失が大きい → 保険で備える(火災保険、自動車の対人・対物賠償など)
  • 確率が大きい × 損失が小さい → 貯金で払う
  • 確率も小さい × 損失も小さい → 特に何もしなくていい(停電保険はここに入る)

停電保険は、確率も損失も小さい典型だと思う。月160円が安いのは、出てくるお金も小さいからだ。

チワゴ

チワゴ

でも、月160円なら「安心料」として入っておくのもありな気がしちゃいます。

どくたろう

どくたろう

その気持ちはわかるよ。ただ、少額の保険は1つ1つは小さくても、積み重なると年間でそれなりの額になるんだ。ぼくは子どもの医療保険も、同じ考え方で入っていないよ。

同じ「月◯円の安心料」の話は、子どもの医療保険の記事にも書いた。見るべきは保険料の安さではなく、「その保険がないと、ぼくの家計は困るか」だけだ。

🙋 それでも停電保険が向いている人

ここまで入らない理由を書いてきたが、フェアに書いておきたい。次のような人には、意味がある場合もあると思う。

🙆 停電保険に意味がありそうな人

  • 停電が多い地域に住んでいて、実際に何度も長時間の停電を経験している
  • 防災グッズをまだ何も持っていない
  • 自宅の家電が古く、停電のあとの故障が心配

ただ、2つ目の人は、保険料を払う前に懐中電灯と乾電池を買っておくほうが、実際の停電では役に立つはずだ。

🔦 停電に本当に備えるなら、やることは2つ

1. 防災グッズを先にそろえる

停電してから買うのではなく、停電の前に家にある状態にしておく。数時間から1日程度の停電なら、これでかなり乗り切れる。

2. いま入っている火災保険の補償を確認する

落雷などで家電が壊れたとき、火災保険(賃貸なら家財の保険)の補償や特約で対象になることがある。ぼくも賃貸の火災保険に入っているが、停電による家電の故障まで補償されるかは、正直把握していなかった。

チワゴ

チワゴ

えっ、先生も把握していなかったんですか?

どくたろう

どくたろう

恥ずかしながらね。新しい保険を足す前に、まず今の保険の中身を見るほうが先だと思ったよ。火災保険が火事以外にも使えることは、火災保険の記事に書いたんだ。

📋 この記事のまとめ

  • ✅ 停電保険は「5時間以上の停電で最大1万円」。冷蔵庫の食品は定額2,000円
  • ✅ 満額でも約5年に1回の停電がないと元が取れない。10年で9,200円のマイナスになりうる
  • ✅ 地震は対象外になりうる。申込日を含めて14日後までは補償がない
  • ✅ 「1か月無料」のあとは自動で月160円。必要ないなら、最初から入らないのがいちばんラク
  • ✅ 保険は「確率小・損失大」にだけ使う。1万円の損失は貯金で払える
  • ✅ 停電対策は、保険より防災グッズと今の火災保険の確認から
どくたろう

どくたろう

月160円の安心より、懐中電灯と乾電池が先。お金の不安を小さくして、そのぶん目の前の仕事と家族に集中しよう。

⚠️ 免責事項
この記事は著者個人の経験と考え方にもとづくものです。停電保険の保険料・補償内容・支払条件・更新や請求の方法は、提供する電力会社や保険会社によって異なります。記事内の試算は、保険料と受取額だけで計算した単純計算です。火災保険の補償範囲は保険会社・契約プランによって異なるため、ご自身の契約内容をご確認ください。記載の商品内容は2026年10月時点で確認した情報です。この記事は特定の保険の加入や解約を勧めるものではありません。

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